2008年12月02日

都市型御嶽

先日、所用でzouと一緒に首里の大名へ行ってまいりました車

途中、たまたま「上之嶽」と呼ばれる御嶽に遭遇しました。


そこで出てきたギモンが電球
「まわりに円形の石積みの囲いがあること」です。

一般的には「チンマーサー(積み廻し)」と呼ばれます。


そのチンマーサーを含めて御嶽なのか、チンマーサーの内部が御嶽なのか
っていうのは別の問題なので置いといて・・・。



自分はこのような形態の御嶽は良く目にしていたので、

正直、一般的なものだと思ってました。

しかし、zou曰く
「地方(ジカタ)ではあまり見たことがない。町方(マチカタ)特有の御嶽の形ではないのかはてな

とのことでした。


それで、町方のチンマーサーのある御嶽をパッと思いついた順に列挙してみると、

首里森御嶽(首里城下之御庭内・復元)
園比武御嶽(歓会門前・石門の前面を復元)
雨乞御嶽(首里崎山村・復元)
仲里御嶽(首里山川村・一部現存)
イベガマ(久米村久茂地・現在は商業ビル)

なるほど、確かに町方にはそういう形式の御嶽が多い気がしますびっくり!


なぜ、町方にはチンマーサー付きの御嶽が多いのでしょうか。

首里古地図で仲里御嶽を見ると
西の大御嶽、東の小御嶽とも御嶽の周囲には屋敷地が広がっています。


もしかしたら、宅地開発によって森林がどんどん侵食されたために、
御嶽の森を守るため、御嶽の範囲を示すもの(=チンマーサー)が成立したかもしれません電球

今風に言えば、「都市型御嶽」と言った感じでしょうかニコニコ

これはあくまで、思いつきで話しているので、保障はできませんが(笑



ところが、首里大名町と言えば、もとは西原間切。

大名は大正9年に当時の首里区に編入します。

もともとは町方ではありません。


大名は琉球処分後に多くの首里士族たちが寄留してきているので

もしかしたら、彼らと共に御嶽にチンマーサーを作る事が伝播していったかもしれませんねびっくり!!



チンマーサーの存在意義が先ほど自分が述べた通り、

御嶽の境界を表すものだった場合、

住宅事情の厳しくない地方の間切では、

チンマーサーを作って御嶽の敷地を確保する必要はないわけです。

ところが、本来は不必要なはずのチンマーサーがある。

本来の役割は失ったけど、「形」として伝わったんですねキラキラ 


チンマーサーひとつとってもネタは尽きないっすびっくり!!


文責:saku



同じカテゴリー(今日のギモン)の記事
良い展示とは?
良い展示とは?(2010-04-05 20:04)

難読地名
難読地名(2009-08-18 23:11)

さ~考
さ~考(2009-06-12 10:56)

酒屋ぬ水食てぃ
酒屋ぬ水食てぃ(2009-03-05 19:12)

民話と地名
民話と地名(2009-01-10 04:33)


Posted by シマミグイ at 00:46│Comments(0)今日のギモン
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。