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2009年05月10日

文化の伝播 pt2

前回

文化の伝播は上塗りであって、下地の文化は消えずに存在する

ということをお話しました。


んで、その上塗りする文化と、上塗りされる下地の文化が混ざり合って、

化学変化のようなものが起きるんですが、

その変化の度合いを決める大きな要因は、

文化の受け取り側の都合の良い解釈や、合理化に伴う改良だと思います。



なんか難しく言いましたが、要は

「○○って、こういう意味なんだはずね!」と自分の好きなように物事を解釈したり、

「○○って、こうしたほうが良くね?」と勝手に変えちゃったりすることです。



つまり、「アバウト」なんです。

そんな「アバウト」な人間の性を、現代の物の呼称に見ることができます(笑


例えば、USBメモリのことを指して、「USB」って言う人がいるように・・・。
本来「USB」とは、コンピュータと周辺機器をつなぐ規格の名称です。

例えば、太った人のことをメタボって言う人がいるように・・・。
本来は、内臓の周囲に脂肪がたまり、それに加えて高血糖・高血圧・高脂血・高コレステロールの症状のいくつかを複数併せ持つ状態(by大辞泉)なのに、いつの間にか意味がすりかわっている。

例えば、沖縄の人がエアコンの事を「クーラー」というように・・・。
本来、エアコンは冷房・暖房の機能がついているが、暖房を使うことが殆どないため、エアコン=冷やすものという認識が名称に現れている。

例えば、年配の人はプレステでもXBOXでも何でも「ファミコン」って言う人がいるように・・・。
物自体は新しく更新されていくのに、その区別を必要としない人にとって名称は古いまんま。

例えば、歯磨き粉のことをコルゲートと言う人がいるように・・・。
恐らく、初めて入ってきた歯磨き粉がコルゲートだったから。

例えば、豆腐チャンプルーという名称が存在するように・・・。
本来は、豆腐が入っていないと「チャンプルー」とは呼ばないのに、内地の人が「チャンプルー=炒め物」と解釈し、内地経由で逆輸入した「チャンプルー」解釈が、豆腐チャンプルーという不思議な名称を生み出した。豆腐の入っていないソーミンチャンプルーもまたしかり。ちなみに正確にはマーミナーチャンプルーとソーミンタシヤー



上記の事例は名称だけしか見ていませんが、

文化には名称以外にも様々な解釈・改良があります。


その複雑に絡み合った解釈・改良が、結果として今の文化を形成しているわけです。

それら解釈・改良を一つ一つ紐解いてからこそ、今の文化を理解できるのだと思います。



おしまい。


文責:saku


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Posted by シマミグイ at 23:42│Comments(0)日常
 
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